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企業の年間休日数の平均は108.0日
 

 

 近年の新卒採用の状況を見ていると、企業選択の条件として、労働時間や休日を重視する学生が増加しているように感じられます。今後、超売り手市場が当面続くと予想される採用環境の中で優秀な学生を確保するためには、賃金の額のみならず、このあたりの条件整備が重要なポイントとなることは間違いありません。また働き方改革の動きの中で、労働時間や休日の見直しを行う企業も増加することでしょう。
 そのような検討を行う際に参考になるデータとして、先日、厚生労働省から「平成28年就労条件総合調査結果の概況」が公表されました。ここでは年間休日総数や年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得状況もとり上げられていますので、以下ではその内容について見ていくことにします。


1.1企業平均の年間休日総数は108.0日
 平成27年(または平成26会計年度)の年間休日総数を1企業平均で見てみると108.0日となっています。これを企業規模別に見ると、30人から99人が106.8日、100人から299人が109.7日、300人から999人が113.4日、1,000人以上が115.3日と企業規模が大きくなるにつれて年間休日総数が増加しています。
 また主な産業別にみてみると表1のとおりで、情報通信業が121.9日でもっとも多く、宿泊,飲食サービス業が95.7日でもっとも少なくなっています。

表1 主な産業別の1企業平均年間休日総数


2.年休の取得状況
 年休の取得状況については、平成27年(または平成26会計年度)の1年間に企業が付与した年休の日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均18.1日となっており、そのうち労働者が取得した日数は8.8日となりました。取得率をみてみると、前年47.6%から48.7%に上昇しています。また、企業規模別の取得率は、30人から99人が43.7%、100人から299人が44.8%、300人から999人が47.1%、1,000人以上が54.7%となっており、こちらも企業規模が大きくなるにつれて取得率は高まっていることが分かります。
 また年休については、平成22年4月の労働基準法改正により時間単位での取得が可能となりましたが、時間単位取得制度を設けている企業の割合は16.8%に止まっており、概ね6社に1社の割合で導入されています。企業規模別に見てみると表2のとおりで、100人から299人の企業規模において導入割合が一番高くなっており、必ずしも企業規模が大きくなれば導入率が高いということではないようです。

表2 時間単位取得制度の導入割合


 人材採用の場面で思うように応募が来ないという場合には、年間休日日数が他社と比べて少ないことが原因となることがあります。また、年休取得状況について、自社の取得率が高いようであれば、「年休の取得率が高い会社です」といったフレーズを入れることで、応募者が増加することも期待できます。一度、自社の状況を分析して調査結果と比較してみてはいかがでしょうか。